2011年10月24日月曜日

フジテレビ問題に関しての一考察


さてフジテレビ問題に関してあくまで一個人としての考察を書いてみます。


まずさまざまな方の意見の中から一番端的でわかりやすくこの問題に対しての意見を表明されていた、推理作家の深水黎一郎氏のTwitterから引用させてもらいます。

フジテレビの件について。
今回の一連の騒動で、これを機に今までわが国ではほとんどなされなかった、マスコミのあるべき姿をめぐる、活発な議論に発展すれば面白いと思っていたのに、何故かそっちの方向には向かっていないようだ。

その原因はフジテレビ擁護派の文化人や芸能人の論理が、幼稚極まりないことにある。「嫌なら見るな」これでは議論にならない。自由競争が成り立っている業界ならばこの論理でも通用するが、放送業界は違う。

何故なら我々一般国民が、勝手に放送局を作って電波を流したら、電波法違反で逮捕されてしまうからだ。我々は総務大臣の認可なしには、ミニFM局すら開設することはできない。

電波はみんなの共有財産である筈なのに、我々一般国民は、勝手に使うことができない状態に置かれている。では放送局は何故大手を振って、日本の隅々にまで届く電波を流せるのか。それは放送局が国から認可を受けて、電波を独占しているからだ。

ちなみに欧米では、公共のものであるこの電波は、定期的に競売にかけられて、既存のメディアもそれに入札し、落札することによって初めて、その使用権を継続することができる。

いわゆる電波オークション制度というやつで、これは欧米の各国政府にとって、大きな収入源の一つとなっている。ところが日本では電波は依然として政府による配給制で、テレビ局は大昔に認定された免許そのまま、愕くほど安い使用料で電波を独占使用している。

ならばこの放送業界というもの、新規参入が事実上不可能である以上は、その事業は広い公共性を持たなければならず、公共の電波を自社事業の宣伝に使うことには、何らかの制限が課せられてしかるべきだということ、

さらには局が電波を使って自らやその子会社が著作権や商品化の権利を持っているコンテンツを宣伝するような行為は違法だということなどは、子供でもわかる論理であろう。

ましてやどこかの国のプロパガンダのような番組を流したりすることは禁止されて当然だし、自分たちがオーナーになっているプロスポーツチームを応援するような番組を流したりすることも、本来大幅な制限が加えられてしかるべきだ。

つまり今回のフジの韓流ごり押しのみならず、自然消滅しつつあるが、ちょっと前まで頻繁にみられた日テレの露骨な巨人びいきのナイター中継も同罪である。

要するに、あらゆる偏向放送が禁止されてしかるべきなのだ。もちろん番組を作るのが人間である以上、必ずや何らかの偏向はみられる。だがその段階では誰も文句は言わない。今回のフジは多くの視聴者が、それが洗脳レベルに達していると感じたから騒ぎになっていることを、フジの上層部は理解しているのだろうか。

従ってフジテレビは今回の騒動に対して、何らかの声明を出すべきだし、偏向放送ではないと言うのなら、そうではないことを論理的に説明するべきだろう。「嫌なら見なければいい」という論理は通用しないことは前述の通り。

一方、フジに不満をいだく側も、《ノーモア韓流》ではなく、《ノーモア偏向放送》というスローガンを前面に掲げるべきであろう。それによってマスメディアのあるべき姿への議論へと発展させなければ、いつかこの運動は潰されてしまうだろう。

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フジテレビ問題を考える上で『放送業界の公共性』が最大の論点の一つになります。

最終的な理想形としては、放送業界及びマスメディアの報道にある種の偏りはあってもいいとおもっています。(もちろん事実誤認とかはだめですよ・・・・)
ただしそのためには、放送業界及びマスメディアが参入障壁の限りなく低い自由競争市場であることが前提です。
例えばフジテレビが偏った報道をしたときに、日本テレビがそれを非難し、TV業界が偏向をしたときには新聞がそれを非難するといった自由性が確保できていれば、あとは市場の手によって自浄作用が働くと思っています。

しかし現在では地デジ化したのにも関わらず、旧態依然として限られた電波リソースを更新制といった新規参入不可能な状態で独占寡占が起こっています。
またTV・新聞・ラジオといったマスメディアが同系列会社によって資本提携しているため、競争原理が働いていないのが現状です。

よって放送業界にはある程度の公共性を確保しなくてはならず、そのために電波法・放送法の遵守が絶対となります。その外国人資本の問題、広告の表示の問題に限りなくグレーな部分が見受けられることを私たちは抗議しました。(外国人資本及び関係性に関しては後述します)
関連子会社が版権をもつコンテンツ(ここではK-POP楽曲)を広告表示無しに番組内に意図的に多く取り入れる行為をステルスマーケティングではないか?規制されてしかるべきではないか?と疑問の提起を行っていたわけです。
※外国人資本に関しては電波法五条、広告表示に関しては放送法十二条を参照

また現状に即した自由競争市場を作るために、公共電波の電波オークション制度、同一資本によるメディア寡占を防ぐ為にクロスオーナーシップ制度の制限等、諸外国の制度をいち早く取り入れること、議論を進めていくことを求めています。

これらの諸問題点をいち早く周知し、総務省や公正取引委員会、また立法の場においての動きが出ることを望んでいます。

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また疑惑の域を出ない話ではありますが『国内マスメディアに関する国外からの利害関係』があるのではないか、というのも最大の関心点です。

上記ででた外国人資本の問題に関しては、フジテレビは純粋な株主比率は20%を超えているが、議決権付株主比率は免許更新時には19.9%のため限りなくグレーゾーンを上手くすり抜けています。

また最大の関心ごとは【韓国政府国家ブランド委員会】及びその下部組織にあたる【韓国コンテンツ振興院】からの資金の流れがなんらかしらの影響を与えているのではないのか、という疑惑です。

ここで一つ前提としておくのが、各外国政府が○○政府観光局といった形でメッセやEXPOの開催、またちゃんと広告表示を行ったうえで自国文化の普及を行うことに関してはなんら問題はありません。

ただここで疑惑として浮上してくるのが、上記2組織から国内メディアや広告代理店を通じての不透明な資金の流れがあるのではないかということです。上記2組織に多額の予算が韓国政府からでているのは確認できますがその使途が不明であること、また韓国コンテンツ振興院の非公式顧問として国内最大の広告代理店電通会長の成田豊氏が名を連ね韓国政府から勲章を受けていること等、疑惑が出てしまっています。
仮にこのような事実があるのだとしたら、電波法放送法の理念からしても即座に規制及び処罰が行われるべきです。
各国内マスメディア及び広告代理店がそのような疑惑が払拭されるよう、外国政府機関からの資金流入がないことを示すことを求めます。

また上記2組織の資金使途が『メディアコンテンツの輸出価格に影響を及ぼしていないか』についても明らかにすることを望みます。
不当な輸出補助金による貿易価格の下落はWTOによって規制されなくてはいけません。
例えるなら、A国が車をたくさん輸出したいので補助金を多額に出し実質1ドルでB国に輸出をします。当然A国製の車がB国のシェアを占めてしまいます。そうするとB国国内の車産業や技術が衰退してしまいます。このような理由により現在WTOによって輸出補助金は規制されています。
この疑惑についても透明性の確保を望みます。

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最後に『広告代理店業界の寡占状態』について考えてみたいと思います。

上記2問題の放送業界の自由競争市場の構築や不透明な資金問題の一番のキーマンとなってくるのが、広告代理店です。

現在国内の広告代理店のシェアは大手3社(電通・博報堂・ADK)による寡占状態が続いています。
また民放TVのプライムタイム枠に関しては電通の1社独占とよんでもいい状態が続いています。
仮にあなたが何百億というお金をもっていたとして、夜8時に自社のTVCMを流したいと思っていても電通を通さなくては地上波でのTVCMはまず無理です。また仮に電通を通してある枠を確保したとして、その番組内容に不満があり他局の番組にスポンサーをシフトしたいと思っても、他局の枠も電通が保有している状態です。

現在TV局が持っている放送枠を広告代理店に販売するときは価格等が公開されていない新規参入が不可能な閉鎖市場で行われています。また広告代理店が購入した枠でCMを流したいと依頼するときも適正価格のない閉鎖市場で行われています。(同じ時間のCMでも価格差が2倍程度ある)

諸外国ではこのような広告代理店の独占状態が発生しないように、一業種一社制(TOYOTAとHONDAが同じ広告代理店を使うことはない)や、各業務の分離アンバンドリング化(放送枠を購入する会社、スポンサーを募る会社、広告本体を作成する会社等の分離)が進み、市場の競争原理を働かせている。

上記のような状態であることは公正取引委員会も調査しているがいまいち踏み込めていないのが実態です。
※公正取引委員会『広告業界の取引実態に関する調査報告書』(pdf)

メディアの公共性を保つ意味でも、また自由市場を構築する意味でも最大のネックとなっているのが、この広告代理店業界の寡占状態です。

日本国内の主要メディアの資金の流れを一社がほぼ独占状態である現状はTV局にとっても、スポンサーにとっても、視聴者にとっても不健全であるように私は感じます。

一刻も早いこの寡占状態からの脱却こそが、私たちが望むメディアのあり方だと考えます。その為に公正取引委員会をはじめとする各行政機関、また立法からのアプローチを期待しています。

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気がついたらすごい長文になっていてすいません・・・・orz
また時間が出来たら今度は『花王スポンサー問題』に関しても自分の考えをまとめてみようと思います。